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<<   作成日時 : 2008/09/11 18:17   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 0

 先日、ある方(30代に見えましたので、仮に”三十路さん”とお呼びしましょう)から、GLBT(ゲイ・レズビアン・バイセクシュアル・トランスジェンダー)のパレードは「もう、その役割を終えたのではないの」などという、極めて悲観的な言葉を伺いました。そのとき、僕は、あえて反論をしませんでした。そういう意見もあるのだな、と、じっと発言を傾聴させていただいておりました。

 三十路さんの考え方によれば、「GLBTパレードとは、ビギナーのためにある」のだそうです。彼の言うビギナーとは、ゲイなどGLBTであることを自覚し始めた人たち、そしてGLBTパレードというイヴェントに初めて参加するような人たちのことを指すようです。

 つまり、三十路さんいわく、

「GLBTパレードに初めて参加した人たちは、きっと例外なく大感動して、その日に体験したことを印象深く心に刻むだろう」
「その次の機会にパレードを歩こうと思う人は、一回目の大感動、その余韻を引っ張ってきた人だ」
「三回目に参加する人は、感動も余韻もなく、単なる惰性で”また来てしまった……”と後悔する」
「そして四回目の参加を考える前に、パレードそのものが”ぽしゃって”しまうのが、今まで、だいたいの流れだ」

 とのご言い分。

 僕は、「ネガティヴだなあ……」と少し脱力しました。

 三十路さんのような方(ゲイ)に限って、いざ東京のプライドパレードが再開されることにでもなれば、

(う……、うずくぜ……)

 図らずも胸が高鳴り、開催当日を一日千秋の思いで、待ち遠しく指折り数え続けられるのではないでしょうか? (未確認)

***

 カナダ・ブリティッシュコロンビア州に、バンクーバーという都市があります。2010年には、第21回冬季オリンピックの開催が予定されています。

<バンクーバー>

面積:
市域 約115平方キロ
広域圏 約2877平方キロ

人口:
市域 約58万人
人口密度 5039人(/km²)
広域圏 約212万人

City of Vancouver

比較のために<東京>は、

面積:
東京23区 面積:約621平方キロ
東京都 面積:約2187平方キロ

人口:
東京23区 約840万人
人口密度 13500人(/km²)
東京都 約1289万人

 となっており、都市の規模が全く異なります。

画像

 バンクーバーには、「バンクーバー・プライド・ソサエティー(The Vancouver Pride Society)」という団体があります。

Vancouver Pride Society

 この団体は、バンクーバー・プライドパレード、同フェスティバル、プライドウィークの祝祭を後見する組織。ヴォランティア・ベースで運営され、インタープライド(International Association of Lesbian Gay Bisexual Transgender Pride Coordinators)に加盟している非営利団体です。

 GLBT(Gay Lesbian Bisexual Transgender)と、友人たち、仲間たち、支援者たちを一つにまとめ、プライドパレードや関連イヴェント(お祭り)などを包括的に”プロデュース”―――。
 ユニークなGLBTカルチャー、GLBTスピリッツ、それらを華やかに盛り上げてきました。

 そうしたプロデュースに取り組むことによって、GLBTコミュニティーそのものが抱いてきた「誇り」、そして、広く一般社会への貢献を通じて培ってきた「誇り」、それらを、さまざまなイヴェントの中で光り輝かせようというのです。

 「商業会員プログラム」に”気前よく”出資をして、通年のサポートをしてくれる地域の商・事業主会員とバンクーバー・プライド・ソサエティーは、契約を結んでいます。同ソサエティーが(GLBTフレンドリーな)商・事業主会員の宣伝をする代りに、地域の商・事業主会員は、製品やサーヴィスについて、バンクーバー・プライド・ソサエティー会員に対するディスカウントなどを行っているとのこと。
 持ちつ持たれつの、良い関係が築かれているのでしょう。

画像

 バンクーバーのプライドパレードは今年で30回目(8月3日)。去年のデータによれば、100を超えるパレードグループ(フロートに相当するのでしょう:でも、きっと規模がでかいはず)がエントリー。38万5000人もの参加者がありました。


こちらのパレードでは毎回、いろいろな「賞」が設けられているのですね。

”Outstanding Individual”
最も目立った人
→ Erin Davies and her FagBug

”Best Interpretation of Theme”
ベスト・テーマ演出
→ Bunch of Proud Young Gays

”Best Marching Unit”
ベスト・マーチングユニット
→ Theatre Under the Stars

”Best Standing Vehicle”
最も目立ったアトラクション
→ Vancouver Coop Radio

”Best Crowd Response”
聴衆が最高の反応を見せたところ
→ Cutting Edges Hockey Team

”Best Float/National Business”
ベストフロート(国内企業)
→ CTV Channel 9

”Best Float/Local Business”
ベスト・フロート(地域企業)
→ The Fountainhead Pub

”Best Community Group”
ベスト・コミュニティーグループ
→ West End BIA

愉しそうだなあ。

 これだけ大きな規模のプライドパレードであるにも関わらず、常駐スタッフやヴォランティアスタッフの数は、東京のプライドパレードと、大差ないのだそうですよ。すごいです。

 とは言え、だから「東京も、やればできる」という話にはなりません。バンクーバーと東京では、事情が違うからです。何が違うかと申せば、例えば、GLBTコミュニティー全体のモティヴェーション(motivation)、あるいは団体の資金収集力。

 後者については、商業(企業)会員を発掘し切れていない日本の実情が大きいのでしょう。ビジネスマンは、当然の発想として、収益→利益が上がらないアクションになど、易々と踏み切るはずがありません。パレードイヴェントそのものが、一般社会に対して、大きな影響力を持たなければならないのですね。

 GLBTコミュニティー全体のモティヴェーションについては、「もし僕らゲイ・レズビアン・バイセクシュアル・トランスジェンダーを応援してくれる商・事業主を見つけたら、彼らの製品をなるべく買うように努めたり、できるだけ彼らのサーヴィスを受けるようにする」―――そうした心構えが、まず僕ら自身に欲しいところです。こちらのほうも、まだ準備ができていない感があります。

 GLBT内のマーケットだけに留まらず、一般社会のあらゆるジャンルの企業が、進んでGLBT団体へ寄付をしていただけるよう、一番に結果を出して行かなくてはなりません。

 さて、三十路さんは、この件について、こうも仰いました。


「日本人は、”お金は汚いもの”だ、というイメージを持っているし、”金を出すから見返りを寄越せ。待てないぞ。今すぐ寄越せ”と言うでしょ。だから、無理なんですよ、日本じゃ。企業にお金を出して貰って、パレードをやるなんて」

 言いたいことは良く解ります。

 お金を寄付して貰うほうへの……、
「こいつら、他人様から金あつめて、何に使っとるんじゃ?」
 ……疑い深い視線のことですね。

 すぐに見返りを求めるのも、こちらが信用されていないからなのですね。

 しかし、バンクーバーでも、最初はきっと同じだったと想いますよ。彼らが成功したのだって、ここやっとのことでしょう。30年もパレードを続けてきて。

 東京のパレードは、「さあ、行けるかな?」と、ドライヴの緒に就いたばかりのところで、エンジンが故障してしまったのです。

 だから三十路さん、そのようにすぐ結論を出さないで下さい。試行錯誤をやらせて下さいな。きっと性能はアップしますから。

 エンジンの改修に際し、感じるのは、枯れ草や枝端などが、複雑に絡み合った”しがらみ”など捨ててしまい、晴れやかでサッパリとした気持ちになっておくことが肝要かと。

***

 東京にも「バンクーバー・プライド・ソサエティー」に相当する団体を確立させたいものですね。

 やっぱり、東京にもGLBTパレードが必要だと考えるからです。隔年(2年に1度)の開催だって、僕は構いません。

 ここで、パレードの先にある夢を諦めてしまったら、今までいろいろな方たちが努力してこられた礎が、すべて無駄の塊になってしまうではありませんか。


「いやいや。それはそれ。昔のことは済んだこと。いっときのことで良かったんだよ」

 そうかなあ?
 僕には、そう思えません。
 積み重ねが大事なのです。
 継続こそ力なり。ホントですよ。

画像

 8月の末のニュースでした。
 はるか昔、1950年代からアメリカで同性婚の合法化を求め、活動を続けてきたデル・マーティンさんが、87歳で亡くなりました。

 この6月、カリフォルニア州は「州最高裁が同性結婚を合法と判断」したことにより、これを解禁。マーティンさんと、55年間も連れ添ったパートナーのフィリス・リヨンさん(84)の二人は、同州の「同性結婚証明書・第1号」を取得したことで話題になりました。

 その矢先の悲しい報せ……。

 連れ添って55年ですか。1953年から。
 厳しく苦しい時代も経てこられたのでしょうね。


Martin met Lyon in Seattle in 1950 when they worked for the same publishing company. Three years later, on Valentine's Day, they moved in together in San Francisco in the small house they would share for life.

In one of the formative acts in their movement, the lesbian couple and six other women in 1955 founded the Daughters of Bilitis, a social support group named after a 19th-century French book of lesbian poetry.

〔引用元〕
Del Martin, 87, pioneering lesbian activist


The following year, the organization put out its first magazine, The Ladder, which soon attained national circulation. Martin and Lyon were among the first inductees into the LGBT Journalism Hall of Fame.

〔引用元〕
Gay Rights Pioneer Del Martin Dead at 87


 亡くなったマーティンさんと、彼女を看取ったリヨンさんは、シアトルにある同じ出版社に勤務。1950年、二人はそこで出会い、1953年、サンフランシスコに移って、聖ヴェレンタインズ・デイから同居生活を開始。1955年、さらにメンバーを加えて、アメリカで最初のレズビアン団体「The Daughters of Bilitis」を設立し、専門誌「The Ladder」を創刊。全国誌にまで成長させた。以来、同性愛者運動のパイオニアとして活躍し、LGBTジャーナリズムの殿堂への一番乗りを果たした。

 歴史の厚みを感じます。
 そうだよね。時間が掛かるのですよ。
 やっぱ、簡単に諦めちゃ、いけないんだな。



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