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パレードだけが、LGBTイヴェントじゃないさ―――と、強がりを言ってみるものの、やはりプライドパレードの無い東京の夏には、つらく厳しいものがある。日々、ヒートアイランド現象に茹だり続けるのだ。ひたすら耐えて耐えて、耐えるだけの東京生活。 ・ できるものなら脱出したい。僕らが、文字通り自由になれる世界へ―――などと、瞳がランラン。夢見るチューネン・ゲイ・ヲトメ。 嘘うそウソ。 早くも猛暑にバテて、脱出するだけの基礎熱量すら残っていない。 ・ ・ 数日前、我がパートナーのTと夜のニチョウメへ出たとき、何気なく、某老舗ゲイショップへと足を踏み入れた。この数年、いや10年ちかく、とんと買わなくなったエロヴィ―――ならぬ、エロDVDの類が居並ぶさま。ショップ:店内のつくりは、むかしもいまも全く変っていないのに、置かれている映像素材は一新されている。それに、単価が安いのに驚いた。いまの若いゲイたちは、いろいろな面で恵まれているから羨ましい。 雑誌コーナーで、Tが、小さな籠に入ったパンフレットの小山を見つけた。Tには、要所要所で大事なものを見つけ出す才能がある。
プライドパレードの無い東京の夏にあって、札幌のLGBTパレードイヴェント「第12回レインボーマーチ札幌」のパンフレット=公式ガイドブックに触れることが、 「そうかっ! 札幌は、今年もやるんだなっ!」 これほど新鮮に感じられるものだとは、正直、意外だった。 レインボーマーチ札幌・実行委員会の詳しい機構など、僕には分からないが、実行委員長が二人おられることに、現実の何たるかを垣間見たような気持ちになる。トップの仕事量が、おそらく「ハンパねえ」のであろうことを示しているのだ。 二人の実行委員長、堀川祐平さんと牧 祐介さん。 お二人ともたぶん、まだピチピチっとお若い。この場合、若いことは良い。 実は円山、実行委員長のお一人、堀川さんご当人からメールを頂戴したことがある。それは、今年の東京プライドパレード中止決定の直後だった。僕のほうから、札幌の実行委員会へコメントをお願いし、それに応えて下さったのだ。 あの当初、僕は東京プライドパレード中止に至る原因や、中止決定の決定的理由を取材し、記事にしようと考えていた。けっきょく、そこまで内実を追った仕事にしなかったのは、左様に諸々を暴いたところで、いたずらに禍根を燻らせ続けることになるだけと判断したからだった。 その判断は、現在に至っても有効である。 堀川さんからのメールは、若々しい気概に満ち、決して東京のつまずきを責めるでもなく、ひたすら前向きな意想を放っている。 〔転載開始〕 第12回レインボーマーチ札幌の公式ガイドブックにも、堀川さんは次のように書いておられる。 〔引用開始〕P6 LGBTパレードの意義とは何だろう。 大きく分けて二つあると、僕は思う。 一つは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーである僕らが、それぞれ自分の存在を肯定する契機にすること。パレードというイヴェントに参加することで、ヘテロセクシュアルではない自分を自身で受け入れるのだ。 細分化すれば、この「受け入れる」にもさまざまな意味がある。詳細は省くが、要するに「自分は自分のままで、これからも生きる!」と宣言して、元気になることだ。 二つめは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーが、これほどまでに多く、実は身近に存在し、ともに社会を作っているという現実を、LGBT以外のヘテロセクシュアルの人たちに、しかと認識していただくことである。しばしば語られる「可視化」「顕在化」なわけだが、斯様に難しめな言葉を使うまでもない。僕らはここにいるのだよ―――という、率直な実存表明だ。 早い話が、LGBTのマス・カミングアウトのようなものだが、当然、「みんなで渡れば恐くない」的動機を見込んでいる。でも、何の問題もない。一人より二人。二人より百人、千人である。 堀川さんは、僕へのメールで、さらに語った。 〔転載開始〕( )は円山 LGBTパレードは、たくさんの人たちが抱く希望や夢を一緒に乗せて、力強く前進する。ほかに、これを代わって為せるアクションは無い。だからこそ、LGBTパレードならではの重要性がある。 巨大化した東京のLGBTパレードには、独自にシステムアップされてきた、他の地方都市ケースとは異なる特別なノウハウがあったはずだ。もしかすると、その方法論は、オーヴァーヒートぎりぎりのところで機能していたのかも知れない。だとしても、とにかくどうにかなってきた。 しかし、東京で三年LGBTパレードが続くと、その次の開催が何らかのかたちで必ずポシャってしまう「三年ジンクス」の裏面には、首都・東京ならではの難しさが、運営に携わる人たちの陣容/能力を超えてしまう現状があるようだ。 07年のときは、東京都や厚労省の後援を得られて、初めて警察交通当局の当たりが良くなったそうだ。 一年目〜三年目で頑張りを押したために蓄積された疲労が、ついに四年目をやろうとするところで、足腰を立たなくさせてしまったとも言われる。 1994年〜1996年 もし、四年目の開催ができなかったことを以て、当該運営サイドを責める気持ちになった方がおられたら、ぜひ次のパレードを運営する側に入り、実際に東京のパレードを取り仕切ってみられたらどうだろう。 闇雲に運営者批判する人がおられるとして、その人は、東京の巨大化したLGBTパレードを開催することが、どれだけ一大事なのか、一度でも想像をされたことがあるのだろうか。 第12回レインボーマーチ札幌:公式ガイドブックの中に、第一回実行委員を務められた高松尚志さんの手記が載っている。 〔引用開始〕P9 東京で点火され、最初に札幌へと飛翔したLGBTパレード・日本版の灯火が、こうして第12回の開催に至るまで、ほとんど途切れることなく受け継がれてきた実績は素晴らしく、賞賛に値する。 これからも、どんどん地方が元気になって欲しい。 東京のパレードが身動きの取れない状態へ陥ったのだとしたら、なおのこと地方が実力を蓄えるチャンスだ。 札幌パレードの参加人数は、ほぼ1000人に定着してきたようだから、このまま安定した連続開催が続くのではと、期待が持てる。 現に、安定恒常化したイヴェントになっているからこそ、 ○上田文雄・札幌市長 ……のみならず、道内自治体の、 ○新宮正志・室蘭市長 ○横田耕一・稚内市長 ○高橋定敏・留萌市長 ○西川将人・旭川市長 ○伊東良孝・釧路市長 から、応援メッセージが寄せられている。名前をしっかり覚えておこう。 ちなみに、次の各市長からは、残念ながらメッセージが届かなかったそうである。 ▲山田勝麿・小樽市長 ▲砂川敏文・帯広市長 ▲渡辺孝一・岩見沢市長 ▲西尾正範・函館市長 「LGBTパレードの応援などできない/したくない」との、頑なな意思表示なのだろうか。やはりこちらも、名前をしっかり覚えておこう。 第12回レインボーマーチ札幌:公式ガイドブックの末尾のほうで、このパレードイヴェントに協賛してくれている多くの企業(ほとんどがLGBT系企業)に対して、 「応援されている僕らLGBTのほうからも、お返しに、もっと積極的に応え、支えて行こう」 ……と、そういう意識を高めることが、日本のLGBTへ協賛してくれる一般企業の商魂を誘い込み、ひいては日本においても、LGBTパレードを、海外諸都市で見られるような力強く安定したムーヴメントへと育てて行くことが可能なのだ―――といった主旨の呼びかけが為されている。 〔引用開始〕P47 東京プライドパレードの中止は、言わば善意力の反作用がもたらした現象だった。初めから、潰してやろうと企んで、巨大イヴェントの運営を買って出る人などあるまい。では、どうして東京のパレードは上手く行かなくなるのか、日本人の特質を織り交ぜながら考察することもできそうだが、別の機会にする。 ここまで、日本のLGBTは総体として段々と力を付け、多くの仲間たちを覚醒させてきたのだが、まだまだ虚弱なところがある。 東京は、ちょっと無理をしただけなのに、入院加療が必要と診断されてしまったようだ。 慌てずに、ゆっくり養生をして、またいつか歩み出せば良い。 日本のLGBT環境を10年も、あと戻りさせるようなことにならないよう、「僕たち一人一人がLGBTコミュニティーを、そして一般社会を作っている」との参画認識を新たに持って、東京プライドパレード・再生再建への道を、また一から辿っていったらどうだろう。 毎年ではなく、隔年の開催を努力目標にするぐらいの、ゆったりした気分で運営に取り組むのも悪くないのでは……。そうしてみたら、いままで以上に味のある、素敵なイヴェントになったりもして……。 東京プライドパレードは、いつか必ず、いっそう大人になって帰ってくる。 どうぞ、ワンクリックをば、お願い申し上げます! ↓↓↓↓↓ |
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【おしらせ】 ビッグイシューをレインボーマーチで販売します♪
昨年に続き今年もレインボーマーチ会場でビッグイシューを売らせていただくことになりました。 ...続きを見る |
別冊 社内報 2008/09/13 16:42 |
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