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help リーダーに追加 RSS 【スケッチノート】 ためらいのマイナス・スパイラル <同性パートナーシップとカミングアウト>

<<   作成日時 : 2008/05/10 14:04   >>

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 ヤツ(僕のカレシ)と一緒に生活をするようになり、以前は二人のあいだで、あまり話題にならなかった<同性パートナーシップ>、<同性カップルへの法的保障>について話し合うことが増えた。ヤツと僕が、自分たちの現実問題として捉えられるようになったからだ。
 現在の日本には、同性結婚制度も、(同性カップルを含む)登録パートナー制度も実現していない。僕らのようなゲイ・カップルは、同棲生活を送ることはできているとて、法的保障がないため、たとえ生計をともにしていようとも、

 ○公営住宅へ、一緒に入居することができない
 ○民間の賃貸住宅でも、同性カップルだと入居を断られるケースが多い
 ○配偶者控除などがない
 ○生命保険の受取人指定、金融機関経由の経済活動など、日常の契約行為に支障が出る
 ○将来、パートナーが死亡しても、遺産/共有財産の相続権がない
 ○パートナーが病気になった場合、医療処置/入院に関する同意権がない
 ○人工授精、養子縁組などが認められていない
 ○子どもを養育する権利/義務の保障がない


 ―――といった、社会生活上の明らかな不都合/不便を強いられている。異性カップルの結婚や事実婚関係と比較すると、きわめて不公平だと言わざるを得ない。

 日本の社会的/政治的現状を考えれば、同性結婚制度はおろか、登録パートナー制度すら、実際には議論の俎上にあがることはない。まったく相手にされていないのである。

 かと言って、同性愛者の世論が、<同性パートナーシップ>、<同性カップルへの法的保障>に重きを置いているわけでもない。つまり、同性愛者自身が、こうした問題について、あまり真剣に考えてこなかった実態があることも確かなのだ。

 ところで、同性結婚制度も登録パートナー制度もない日本では、同性カップルの関係性を法的に確立するため、養子縁組で”代用”する方法が、むかしからある。年上のほうが、年下を養子にするのだ。その逆は、できない。

 ヤツと僕は、今後も折々に、養子縁組をするかどうかの話し合いを重ねてゆくことになるだろう。僕が前向きなのに対し、ヤツは消極的だ。

 手続きは、さほど煩雑ではない。縁組の当事者と、20歳以上の証人二人が養子縁組届けに署名捺印し、役所へ提出すれば、それで終わりである。(=ただし、成人同士の場合。その他、詳細は〔参考〕を参照)

〔参考〕養子縁組届
http://f47.aaa.livedoor.jp/~asia/youshi.htm

 ヤツが消極的なのは、もし僕と養子縁組をすると、年上の僕が養親でヤツが養子となるので、ヤツは養親の”氏”、つまり僕の名字を名乗らなくてはならなくなるからだ。いくら書類の上だけのことだとは言え、ヤツにしてみれば、名字が変わるのは面倒である。運転免許証の氏名も変わるし、職場にも必ず伝わる。何やかやと詮索されるのはイヤなことだろう。
 それに、ヤツは僕の戸籍へ入ることになる。親を筆頭者にした戸籍から除籍されることで、独立した新しい戸籍を作ることはできる。でも、親を筆頭者にした戸籍には、そこから除籍した事実は明確に残る。
 それらを納得したとしても、何かの折り、実家の家族が戸籍を取得するようなことがあれば、そこで事態が判明する可能性がある。けっきょくは、一定のカミングアウトを覚悟(想定)しなければならないのだ。僕は、それでも構わないのだが、ヤツにはカミングアウトをする意志/心構えがまだない。

 将来(いつのことやら判らないが)、同性結婚制度あるいは登録パートナー制度が施行された場合、養子縁組をしたことのある間柄では、たとえ縁組を解消しても、結婚や登録ができない恐れがある。もちろん、どのような形で制度ができるのか、まったく白紙、いや白紙以前なのだから、いまから心配しても仕方がないのだが。

 一般論としては問題意識があっても、自分が当事者にならない限り、なかなかその問題を直視しようとしないのが、どのようなテーマであれ、人間の”さが”だ。いまの日本に、同性カップルなど、いくらでもいるはずだが、それにも関わらず日本の同性愛者世論が当事者意識を持って、<同性パートナーシップ>、<同性カップルへの法的保障>について深く考えようとしてこなかったのには、さらにいくつかの理由がある。

 ゲイ/レズビアンであることを隠し通しておりさえすれば、もろもろ曲がりなりにも、どうにか生きてこられる日本社会的”ぬるさ”を、みんな感じとってきているし、諦めること/声に出さないことで、そうした”ぬるさ”を享受することが叶ってきた。
 数々の不都合/不便を、充分に了解/理解しておりながら、『しょせんは、そういうものだから』と消極的に飲み下し、『それでも、いいんだ』と納得してしまうのだ。
 同性愛者世論が、カミングアウトをすることに強い抵抗感を持ち続けているため、<同性パートナーシップ>、<同性カップルへの法的保障>を声高に提起/主張することが、ゆくゆく個々のカミングアウトへ繋がると警戒する向きがある。

画像

 日本の同性愛者たち自身が、いつまでも離脱できないマイナス・スパイラルに陥っている感、これありだ。この閉塞状況から脱するために、いったい何をどうしたら良いのか―――と、頭が痛い。
 仮に、日本で登録パートナー制度が施行されたとしても、同性カップルのそれぞれ(あるいは片方)がカミングアウトを躊躇っている限り、せっかくの制度を使うことすらできまい。同性カップルがパートナーシップを登録することは、すなわち一定のカミングアウトを覚悟(想定)することでもある。―――ということは、『カミングアウトなど屁でもない』と言い切れるほど、自分自身が同性愛者であること”そのもの”に、しっかりと自信を持てないでいる以上は、めでたく法律が整備されようが、制度が確立しようが、やっぱりどうしようもないという話になる。

 こう書くと必ず、『大きなお世話だ』、『カミングアウトを強制するな』というような反論が、同性愛者たちの中から起きる。もちろん、カミングアウトは、同性愛者個人が独りで考え、独りで決めるべき事柄であって、他人から指図される筋合いなど毛頭ない。ただし、パートナーシップ登録をする際には、一定のカミングアウトを想定する必要があるのだ。とは言え、登録を考える当事者たちが、二人してじっくりと相談すれば良いだけのこと。関係のない人には、文字通り関係がない。
 カミングアウトが絡んでくるから―――と、パートナー制度について、あえて無関心を決め込んだり、反対論を述べる同性愛者たちは、同性パートナーシップを確立したい(=同性カップルとして生活をともにしたい=添い遂げたい)と考える人たちの、法的/制度的受益までをも妨げていることになる(……とも言える)。どうか、もっと広い視野と発想で、建設的に同性パートナーシップについて考えて欲しいものだ。

 ちなみに、次のような行政書士事務所もあるのだなと、最近、初めて知った。僕との個人的な関係は当然なく、たまたま、ある筋から教えて貰っただけ。
 こと、パートナーシップに関してのみならず、LGBTの法的相談全般に、親身になって乗ってくれると良いのだが―――と、期待を込めつつ、参考までにリンクを貼っておく。
 宣伝をするつもりは、さらさらない。


〔参考〕
性同一性障害の行政書士による性同一性障害・同性愛者の法務コンサルト
http://seidouitusei-douseiai.com/

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
円山さん、こんにちは。

カミングアウトと告白と、切り分けた方がよいのかなと思いました。個人的に誰かが好きって話と、ゲイとしての自分の社会保障を確保するとかは、全然違うレベルの話ですからねぇ・・・

私は、幸か不幸かパートナもいないので、特に自分の性志向で差別がどーのは無いんですが、誰かに責任を持つ立場になれば、社会保障を得るための戦いをしないといけなくなるのでしょう。

今は自身の生活の糧を得るだけで必死なので、カミングアウト等々は考えてもいませんが・・・

もう一歩先を考える努力も必要なのかなと、記事を読んで思いました。

と、どこまで続けられるか分かりませんが、自身の話をブログにしようと思います。良かったら遊びに来てください。
名古屋のきりたんぽ
URL
2008/05/13 09:36
>名古屋のきりたんぽさん

 >>>誰かに責任を持つ立場になれば、社会保障を得るための戦いをしないといけなくなるのでしょう。……もう一歩先を考える努力も必要なのかなと、記事を読んで思いました>>>

 そう↑仰って頂けて、とても嬉しいです。

 ブログを始められたのですね。どうか、愉しんで続けて下さい。自分が愉しくないと、続きませんからね(^^)
 良かったら、ブログを書こうと思った切っ掛けや、何を書いて行きたいか、教えて下さいませんか? メールでもいいですよ。

 ブログ専用メールアドレス
 thuptentapten※kve.biglobe.ne.jp
          ↑※を@に替えて下さい
円山
2008/05/14 11:52
どんなことを書いていくのか、まだちょっとまとまっていません。

ブラビッシマの掲示板とかを見ても、皆個人の悩みの範囲で書込があるだけで、もう少し違う視点のレズの意見の場があってもいいかなと思ったのですが、そこまで自分の性志向と社会とのつながりを深く考えていないので・・・

実をいうと、全然別のサイトで二年ほどブログは続けているんですよ。そこでは、あまりに色んな人と知り合ってるので、それこそカミングアウトになっちゃうから、今更な物で・・・

ほんとブログって面白いというか、変というか・・・個人の日記なのに、ある程度つながりが出来ると、ホントに思ってることは書けなくなるし・・・

困ったことです。(TдT)
名古屋のきりたんぽ
2008/05/16 14:17
>名古屋のきりたんぽさん

 僕は、できるだけ思っていることを正直に書こうとしているのですが、やはり、これは書いたらまずいだろうな……みたいなこと、ありますね。こう書くと、あの人に悪いなとか、さりとて、書かないと、この人に失礼だなとか(^o^)
円山
2008/05/16 20:23

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