低能流[ゲイ]文章計画

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS ▽自分でもあきれる <引越完了の巻>

<<   作成日時 : 2008/05/29 08:24   >>

トラックバック 0 / コメント 6

画像

※新しい書斎@ヤツの2LDK

 引越屋さんという方たちは、本当に軽々と重い荷物を運ぶのだ。単に、僕の体力がチュウネンなりに落ち込んだから、そう感じるだけではない。僕のパートナー(カレシ:♂、以下”ヤツ”)と僕とが、かつて二人がかりで運んだ40インチ型の液晶TVでさえ、筋肉スリム系の引越屋さんは独りで軽々と持って運んだ。もうひとりのガチムチ系の引越屋さんも、腰に来そうな段ボール箱を、二つ重ねて悠々と運んだ。プロである。

 ヤツと僕とが、ガチムチ系と筋肉スリム系、それぞれがおのおのの、かなりタイプな男だったから、お世辞にそう言っているのではない。

 それにしても、その引越屋さんの二人、筋肉スリム系とガチムチ系とが、引越元だった僕のapartmentを訪れたとき、僕は彼らがあまりに”どんぴしゃり”な組み合わせだったので、思わずニヤリとしてしまったのだ。
 さしずめ、これがゲイ向けエロDVDだったら、彼ら二人を迎え入れるや、引越作業をそっちのけ、僕が筋肉スリム系と、ヤツがガチムチ系と、それぞれに”ピ〜ンと来て”、いきなり男同士で交わってしまうのではなかろうかと想像するに、ちょうど良い感じだったようなわけである。

 ヤツと僕は、引越屋さんのトラックが引越先へ向かうあいだ、徒歩と地下鉄でヤツの2LDKへ向かった。

 僕らが先に帰着して、引越屋さんの二人の到着を待つあいだ、ヤツと僕とは、どうしてよりによって、斯様にゲイゲイしい妄想を起こさせるような、あの引越屋さんたちなのだろうと下らない話をしながら待っていたが、どうだそれなら、ちょっとふざけてみようかということになり、引越先のヤツの2LDKの居間、テーブルの隅っこに、さり気なくと言うか、あからさまにと言うか、ポンと”ゲイ雑誌”を一冊、置いて反応を見るとの企てに及んだ。

 だが、荷物をヤツの2LDKに運び入れる彼ら引越屋さんは、さずがにプロならでは、全く隙を見せることなく、顧客の家の中にある物品の一々に、これと言って視線を泳がせることはなかった―――と、ヤツは冷静に観察した。

 しかし僕は、
「いや、違う。とくに、あの筋肉スリム系の引越屋くんは、きっとテーブルの上の”ゲイ雑誌”が視界に映ったはずだ。見たのに見ぬふりをしているだけさ」と、あくまでも妄想にこだわった。
 なぜなら、僕が玄関先に立ち、筋肉スリム系が軽々と二つ重ねて抱える段ボール箱を受け取ろうとしても、
「大丈夫です。奥までお持ちします」と、彼は笑顔でそう応えて、さっきより、ますます懇切丁寧に仕事をこなしてくれていたからである。
「なっ! ほら……、あいつ、”ゲイ雑誌”の表紙を見たとたん、まるっきりサーヴィスが良くなっただろ!」
 と、僕はますます妄想をふくらませた。

 わずかだった僕の”独りの引越”の搬入は、アッと言う間に終わった。
「お見事だなあ。たちまち、運び込んでしまったね。しかも、あんなに軽々と」と僕がねぎらうと、
「いえっ、そんなことないですっ!」
 筋肉スリム系が、明るい声を出して微笑んだ。
「ほんっと、君はものすごくチカラがあるんだねえ。惚れ惚れしちゃうなあ」
「そうでもないですっ!」
「どうも、ありがとうね。助かったよ」
「ありがとうございますっ!」
「それじゃ、気をつけてね。ありがと」
「はいっ! 失礼しますっ!」

 筋肉スリム系が立ち去ったあと、僕が半笑いのまま、
「ああ、行ってしまったなあ……」溜め息をつくと、
「あなたって人は……」
 ヤツのほうは、あきれ顔になって、同じく溜め息をついた。
「……相手が、ちょっとタイプだと、すぐあの調子で優しくなるんだから……」
 そのようなことはない。
 僕はただ、ごく自然に彼らの仕事ぶりを賞賛し、感謝の気持ちを表わしただけだ。
「な? やっぱり、お仲間だと解った瞬間に、態度が一変していただろ?」
 筋肉スリム系の”ちからこぶ”の逞しさ、その残像がいつまでも脳裏に焼き付いて離れない。
「なに言ってんの、あなた?」
「やっぱ、良かったな。”ゲイ雑誌”をテーブルの上に置いといて……」
「バカみたい」
 ヤツの眼差しが、若干の冷笑を帯びたように感じた。

 筋肉スリム系とガチムチ系の引越屋さん二人。あれから帰社した車内で、きっとヤツと僕のことを語り合っていたに違いない……。

”さっきのゲイ・カップルさあ、どっちがいけた?”
”そりゃあもう、若めで背の高いほうじゃね?”
”オレは、メガネかけて、ちょっと太ってたほうがいける”
”でも、なによあれ、G-Menなんて堂々と置きっぱなしにしちゃっててさ”
”だよな。警戒心ゼロって感じだったな”
”違うかもよ。ボクたちのこと、誘ってたんじゃないかな?”
”バカ言え。こっちは仕事中だぞ”
”ん〜ん。そうじゃなくて、仕事が終わったら、お二人で、ちょっとどうですか? 寄ってきませんか? ……みたいに”
”ええっ! そういうことかよ〜〜っ?”
”どうする? あとで連絡いれてみる?”
”マジかよ! 緊張するなあ〜〜”

 僕のこの妄想癖、どうにかならないかね。


オーマイニュース掲載記事―――

バラク・オバマは価値観を変えるか
〜同性愛者人権政策を見る〜
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080527/25633

JanJanNews掲載記事―――

児童ポルノ単純所持に懲役刑
〜与党の児童ポルノ法改正プロジェクトチームは、何をどこまで想定したのか
http://www.news.janjan.jp/living/0805/0805247805/1.php

一人のゲイから見る、腐女子とボーイズラヴ作品
http://www.news.janjan.jp/culture/0805/0804215336/1.php

クリックプリーズ
にほんブログ村 恋愛ブログ 同性愛(ノンアダルト)へ

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
極上のコントをありがとう(笑)。
円山さんの妄想とパートナーさんの冷静なツッコミのコンボが楽しすぎる・・。
すっかり元気になられたようで、よかったです。
アッキー
2008/05/29 18:06
>アッキーさん
 一連の変化を、ずっと見続けて下さっているのですよね。ありがとうございます。ヤツも僕も、これまで体験したことのないことを幾つも潜り抜け、そしてそれぞれに全く新しい生活状況を、それぞれに創出している毎日です。ここに書かないだけで、ときにケンカみたいになることもあるのですが、しかし明らかに絆が強くなっていると感じます。それらもまた、一つ二つの新しい体験……といったところです。
円山
2008/05/31 07:39
あぁオカシイ・・・久々に笑いました。

妄想する分にはタダだし、無害だからいいでしょう。女性の私からみても、運送屋さんの若い男の子は逞しくて、グッとくるものがありますよ。

特に、佐川のおにいちゃんが礼儀作法教育もしっかりしてるから、いいですね。
(おばさん発言ですねぇ。)

相方さんは円山さんを「あなた」って呼ぶんだ。なんかこういうのって、実感が湧くというか、なんというか・・

うははは(’◇’)ゞ
名古屋のきりたんぽ
URL
2008/05/31 13:05
面白いですね。好きです、こういう妄想。雑誌を置いて反応を見るなんていうちょっとした悪戯も円山さんのお人柄が少しだけ垣間見えたような気がしました。
新たな門出と共に心の傷(という言い方が適切かどうかわかりません)が癒されていくといいですね。
みすてぃー
2008/06/01 02:02
>名古屋のきりたんぽさん
 ヤツは、「あなた」と呼びますねえ。でも、女性の妻が夫に「あなた」とコールするニュアンスとは、ちょっと異なるような気がします。対等な人間として「あなた」と呼ばれていると思っています。
 引越屋さんは本当に強いです。当然と言えば当然かも知れませんが、とにかく強い。ゲイって、何だかんだと言いながら、筋肉が好きなのですねえ。
円山
2008/06/02 11:17
>みすてぃーさん
 仏壇に手を合わせるのは、僕らの日課です。玄関の近くに仏壇を配置したのは、とても良くて、出かけるとき、帰宅したとき、自然と「行ってきます」「ただいま戻りました」という気持ちになります。ヤツの両親と、こうした形で”同居”していることを決してベストだとは思いませんが、両親がヤツと僕の生活を見守って下さっていることは確かだと、僕は信じています。そして、きっと理解し、許して下さっているに違いないとも。
円山
2008/06/02 11:18

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文

サーチエンジン

ブログリーダー

LGBT・情報

ネット・コム

Gay Japan News