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help リーダーに追加 RSS 【A Gay's Mumble】 ヤツのお母さんが亡くなった

<<   作成日時 : 2008/03/21 23:39   >>

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 ヤツのお母さんが、今日、亡くなった。

 急に、ここ数日、点滴で投与している痛み止めを強くせざるを得ない容態となり、そのせいで、強い傾眠状態に陥っていた。
 病室のベッドで、深く眠っておられた。


 容態が良くないと聞き、僕は昨日(20日)、ヤツと一緒に病院へ赴いた。
 医者や看護婦は、はっきりと言わなかったが、態度や言葉の端々で、死期が遠くないことを仄めかしていた。
 ときが迫ると、そういうものなのだと知った。


 覚悟は決めていたものの、僕は、まさか昨日の今日になるとは、本当に、まったく想っていなかった。

 ヤツは昨夜、お母さんの病室に泊まった。
「最期まで付き添っていられて、良かったよ」
 そう、ヤツは電話で言った。

 僕は、まさかと想っていたから、今日は病院へ行かず、うちで書きものをしていたのだ。
 ヤツに連絡をしようかと、考えたには考えたが、親戚の方たち―――伯父さんと伯母さんがお出でになると聞いていたので、控えていた。

 僕は、間抜けだった。
 まさかと、甘く考えていた僕は、つくづく間抜けだった。

 看取って差し上げたかった。
 そびれてしまったことが悔やまれたが、よくよく考えれば、最期のとき、ヤツや親戚の方たちに紛れて、僕のような者が一緒にいたら、却って伯父さんがたが、
(こいつは何者だ?)
 いったい、どう感じられたことか。

 僕を、同性のパートナーだと紹介して、ヤツがカミングアウトするべきタイミングでは決してなかった。
『この人は……、友だちだよ……』
 などと、お母さんの最期のときにまで、ヤツに嘘を吐かせるのが、良いことだとも思えない。

 ヤツを困らせることになったかも知れないのだから、これはこれで……と、そう納得することにした。

 ただし、僕は、無力だ。
 愛する人のお母さんが、人生を閉じられる瞬間にさえ、立ち会うことが憚られる同性のパートナーなど、無力な存在でしかない。

 それでも、昨日、半日、ヤツと一緒にお母さんと居られたことは、良かったと心から思う。
 ずっと眠っておられたから、声を掛けてもお返事は無かったが、きっとお話したことの幾つかは聞こえておられたはず―――と、そう信じたい/信じている。

画像

※元気な頃のヤツのお母さんとヤツのTWO・SHOT (素敵な写真なので、本当はこんな処理などしたくない)

 今日は、3月21日。
 今年の春分は昨日だったが、春の彼岸の真っ只中である。
 今日が、彼岸の中日に当たる年もある。

 疾うに亡くなったヤツのお父さんが、迎えに来られたに違いないと、僕は直感した。

「母は、眠ったまま、少しも苦しむ様子もなく、静かに息を引き取ったよ」
 と、ヤツは電話で言った。

 亡きお父さんが、そう仕向けて下さったのだと想う。
 きっと、そうだ。

 ヤツは、ついに両親とも亡くしてしまった。
 ほかに兄弟姉妹は、いない。

 これからは、僕が、ヤツの家族になってあげたい。
 そうなる資格が、この僕にあるのかどうか、ヤツの気持ち次第ではあるが。

 僕もまた、心から家族と呼べる人が欲しいから。

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
春の穏やかな日に亡くなったのは救いにはなりませんか?
最期を看取れたことも救われます。
これからは、貴方が彼を救ってあげて下さいね
優しい春を過ごしてください。
まお
2008/03/22 16:25
お久しぶりです。

どうか、相方さんを、守ってあげてください。
声をかけるだけでもいい、一緒にいてあげてください。
寂しい時、辛い時、人肌を少しでも感じるだけで、救われた気持ちになります。
相方さんの手を、握ってあげてください。
まき
URL
2008/03/23 02:06
>まおさん

 優しいお言葉を、どうもありがとうございます。

 仰る通りで、ヤツのお母さんは、厳しい治療条件のもと、ときにつらい時期もありましたが、最期は安らかに、一人息子にも看取られて、深い眠りの中で息を引き取ることができたのです。
 あんな大病にも関わらず、大往生だったとも言えましょう。救いです。恵まれていたのです。
 そして、その救いと恵みを導いたのは、ほかならぬ、ヤツの献身的な介護でした。
 ヤツは、お母さんへの労りが足りなかったと嘆きますが、―――決してそのようなことはない、お母さんが、誰よりも感謝しているのはお前だよ―――と、僕はヤツを諭しています。
円山
2008/03/23 02:45
>まきさん

 ありがとう(^o^)

 わかりました。
 そうしましょう。

 僕は、知っているんだ。
 ヤツもまた、””ギュッと””抱きしめられるのが好きなんだよ。

 だから、淋しそうなときは、そうしてあげたい。
 僕も、そうするのが好きだから。
円山
2008/03/23 02:46
お悔やみ申し上げます。
季節の変わり目は人が死にやすいのでしょうか。私もこの前親戚が一人亡くなりました。去年に続いて今年も。私の番も近づいてるのかな。
こっちでは遺族連中はどうしようもないですが、そちらは円山さんがいるから大丈夫だと思います。円山さん自身も傷ついていると思います。パートナーさんと一緒に悲しみを乗り越えることを願っています。
アッキー
2008/03/23 07:42
>アッキーさん

 励ましていただいて、どうもありがとうございます。

 ヤツのお母さんが、まだ比較的お元気な頃から、僕は、お会いすることが叶っておりましたので、今になってみれば、そうしておいて良かったと、心の底から思えます。

 ヤツと僕が男同士のカップルであることを意識し過ぎて、お母さんとお会いすることを躊躇っていたら、僕はヤツの悲しみを、今、これほど共有することができただろうかと考えてしまいます。

 ヤツが抱く、お母さんの思い出の、ほんの1%にも満たないとは想うけれど、僕もヤツと同じ、お母さんの思い出を抱けることが、こんなにも貴重なのかと、強く噛みしめています。

 ご葬儀を前にして。
円山
2008/03/23 18:31
上手く言えませんが、「心の休息」して下さい。
彼を支えることも励ますことも、傷ついても強くあろうとすることも
性格なのかもしれませんが。

しばらく二人でゆっくり できればいいですね。

お母様のご冥福をお祈り申し上げます。  
梧桐
2008/03/24 16:11
>梧桐さん

 ありがとうございます。
 今夜は通夜に参りました。
 ヤツは、学生時代の旧友たちが来てくれていたこともあり、明るく振る舞っておりました。
 いっけん、元気になったのかと想うほど。

 でも、本当は泣きたいのを我慢しているのが、僕には判ります。
 お葬式って、酷な慣習ですね。
 でも、しなくてはならないこと……ですから……。

 さしあたり、一連の行事を終えたら、しばらく好きなだけ、ゆっくりさせてやりたいですね。
円山
2008/03/25 00:05
無力な存在だなんておっしゃらないでください。
今は、パートナーさんにとって円山さんが側にいることが一番心の支えになっていると思います。
私も私のパートナーもいつかは通らなければならない道なので身につまされます。
順番を守って親を送る・・・これだけでも立派な親孝行だと思うのですが、ちゃんと最期まで看取ってさしあげることができたんですからパートナーさんは本当に親孝行だと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
みすてぃー
2008/03/25 21:57
>みすてぃーさん
 ヤツのお母さんの本葬に参列して、いろいろ思うところを別記事にいたしました。同性カップルが、決して寛大に容認されていない現実は、葬儀に臨んで、とくに実感するところです。とくに葬儀は、家とか血縁とか、伝統的な価値観が色濃く反映されるイヴェントで、同性カップルという概念を殊の外、隠さざるを得ない息苦しさを感じます。お母さんの葬儀という場面で、本当は、ヤツのそばに一番寄り添っていたかった僕が、最も末席でなければなりませんでした。もし、結婚している男女であれば、基本的に絶対ありえないことでしょう。悲しみのイヴェントの最中に、同性カップルの同質性を訴えて声を荒げることなど、ヤツのためにも、するべきではありません。僕は、一貫して慎ましく、さり気なく、ヤツに声を掛け、力づけていたつもりですが、勘の良いご親戚は、僕らの本当の関係を察してしまったかも知れませんね。それならそれで構わないとは言え、それを表立って明らかにできない空気感に、僕は自分の無力さをどうしても覚えちゃいますね。(^^;
円山
2008/03/26 11:57

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