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昭和33年(1958年)と言うと、僕が生まれる三年前のこと。そう考えると、あまり遙かなる昔でもないのかな―――などと感じてしまいます。 その年の4月1日。 売春防止法が施行され、日本中の赤線地帯が消滅してゆくことになったのです。 赤線地帯=赤線とは、公娼すなわち認可を受けた売春婦たちが客をとった、半ば公認の指定売春地域のことで、歴史的に遊郭のあった場所。では、遊郭とは何かと言うと、江戸時代にルーツを持ち、売春を含め、いわゆる女遊びを公然と行えた特別区です。 現在の新宿二丁目一帯は、江戸時代、多くの遊女=売春婦たちが働いていた宿場町で、内藤新宿と呼ばれていました。まさしく新宿の元祖がここだったのです。明治〜大正と、ここは<新宿遊郭>と称され、昭和に入ると、これが赤線地帯として繁栄しました。 新宿二丁目一帯は、江戸時代から続く伝統ある売春エリアだったのです。 そして、昭和33年。 売春防止法の施行で、売春エリアの長い歴史が幕を閉じました。 新宿二丁目一帯から売春宿が消えてゆくのと入れ替わりに、この地域にはゲイ・バーが集まってきたのです。 そこいら辺りについては、僕が去年書いた記事で、少し詳しく説明しましたので、宜しければ、ぜひお読みになってみて下さい。 如何にして、新宿二丁目がゲイ・タウン化してきたのか、歴史を辿ってみると、ちょっと面白うございます。 【コラム】 新宿二丁目今昔&未来略観 ※↑赤線時代の新宿二丁目 ※↑現在の新宿二丁目 『ALWAYS 三丁目の夕日』という大ヒット映画があります。 時代設定は、昭和33年。東京タワーを建設中の東京が舞台。 高度経済成長期へ、まさしくこれから入ろうという戦後日本復活の黎明期とでも申しましょうか、あの時代の、新しい日本へ脱皮しようと脈打つエネルギーと、人々が抱いた豊かで明るい未来への夢想とを感じさせてくれる、とてもよくできた作品だと思います。 ―――で、明らかに、そのタイトルをもじったに違いない、『ALLDAYS 二丁目の朝日』(村上賢司・監督)なる新作映画が、来年の2月2日に公開されるのだそうです。 やはり、時代設定は昭和33年。 売春防止法が施行され、赤線地帯からゲイの街へと変貌を遂げようとする新宿二丁目が、その舞台となるようです。 果たして、どのような作品なのでしょう。 一応、アンテナを張っておきたいものだと思います。 主役で、ゲイを演じるのは三浦涼介(20)。ヒロインに谷桃子(23)、共演に松田祥一(21)などの布陣と伝えられています。どのような演技を見せてくれるのでしょうか。 MiuraRyosukeOfficialWebSite あくまで、作品のアイデアとしては、大いに興味を引かれるものがあります。 今から、およそ50年も昔の日本のゲイシーンが如何なるものだったのか、どの程度、しっかりした取材ができているものなのでしょう。イイカゲンなものを作って欲しくはありません。 今でこそ、新宿二丁目はゲイ・タウンとして名を馳せ、ある意味、メジャーな存在にまでなっておりますが、あの頃は、元々赤線地帯だったことからも想像ができるように、汚れた場所、滅多に近寄ってはならない禁忌のエリア、哀愁の花街、―――もっぱら悲愴なイメージが付きまといます。 現在も、新宿二丁目には、赤線地帯だった当時を想わせる古い建物が残存していますが、僕はその建物を眺めるたびに、もの悲しい過去の遺風を感じてなりません。 そうした雰囲気を、この作品は、描き出してくれるのでしょうか。 ※↑赤線時代を想わせる新宿二丁目の建物 また、当時のゲイたちが、どのような生きざまを送っていたのかが、きちんと描かれることになるものかどうか、見極めたいものです。 日陰者として、徹底的に虐げられ、人並みの人生を捨てて<ゲイの巣窟と忌み嫌われた”ゲットー”>に身を沈めなくてはならなかった、あの頃のミセコたち。 そして、まるで犯罪者の如く隠れるようにしてゲイ・バーへ足を運んでいたであろう―――昭和30年代のゲイたちが、あの頃の新宿二丁目で、どのようにして、その密やかなゲイ・ライフを過ごしていたのでしょう。 果たして彼らは、自分たちのゲイネスを素直に受け入れ、ゲイであることを謳歌できていたのでしょうか。 ゲイたちのあいだでさえ、ゲイであることに自虐的なフォビアを禁じ得なかった時代。彼らは、どのように自分たち自身を捉えていたのか、映画・『ALLDAYS 二丁目の朝日』は、リアルに表現してくれるのでしょうか。 興味は尽きません。 封切られたら、たぶんチェックしてみることになるだろうと想います。 28日に、新宿二丁目のclub ArcHで製作発表会見が行われたようですが、主役の三浦涼介は―――、 「この作品から二丁目で生きる人の強さを知りました。皆さん、すごく人間らしくて愛があるので、それを見せられたら(良いと思う)」 「二丁目の方たちに失礼のないよう、役作りに悩みました」 「僕は、オジサマにモテるみたい」 「二丁目が怖いという印象が変わればいいと思っています」 ―――などと、発言したとのことです。 その昔、オカマとかゲイ・ボーイなどと侮辱されていた人たちは、外見的には、どぎつい女装や化粧をし、ナヨナヨと弱々しく装っていても、いざ喧嘩となれば、極道の方(ヤクザ)たちも尻尾を巻いて逃げ出すほど、腕っ節も強かったし、脅し文句や殺し文句も、凄みがあって恐かったのだそうです。 人生を投げ捨て、ゲイ・バーのミセコに身を貶めた人たちの壮絶な覚悟のほどが、伝わってくる話だと思います。 若き俳優・三浦涼介が、彼らのそうした凄みを、どこまで演じ切ることでしょう。 それにしても―――、 二丁目が恐い……かあ。 バカバカしいなあ。 いつかも書きましたが、ゲイは、相手が男と見れば誰でも良いから、手当たり次第に襲い掛かるものだと、ヘテロ男性から、完全に勘違いされているようです。 ナンセンスな話です。 それなら、一般ヘテロ男性は、相手が女性と見れば、手当たり次第に襲い掛かろうとしているわけですね。 そういう本能的衝動を、実は常に抱えているからこそ、ゲイを見れば、自分が襲われる対象であるに違いないと、無用な警戒心を働かせることになるのかな。 『ALLDAYS 二丁目の朝日』が、『……三丁目の夕日』の単なるパロディーに終わることなく、真面目な映画作品として、ゲイに纏わる諸々の勘違いを払拭する手助けをして貰えるのなら、価値のあることだとは思いますが。 ……どうなりますことやら。 クリックプリーズ
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この映画昨日見てきました。 |
「【スケッチノート】 ALLDAYS 二... 2008/02/03 20:37 |
>↑の方へ(ニックネームが切れてしまいました。すみません) |
円山 2008/02/03 21:26 |
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