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アメリカ・ボストンで、加入者の遺伝子を分析してプロファイリングし、最も調和が図れる遺伝子の組み合わせを抽出することによってベストカップルを紹介する<交際相手紹介サーヴィス>がスタートしたとのこと。 ・ その名を、Scientific Matchと言う。 ・ 加入者は、口中の内面を綿棒で擦ってDNAサンプルを提出。それに基づき、Scientific Matchは二週間かけて、それぞれの免疫システム遺伝子を分析。そして、遺伝子プロフィールが、なるべく似ていない加入者同士を、カップルとして組み合わせるのだそうだ。 DNA上、6カ所の特定遺伝子ポイントを調べ、それら6カ所のポイントが全く一致しないことが、カップリングの条件だとのこと。 ・ DNAが異なれば異なるほど、カップルは肉体的に惹かれ合い、お互いの体臭に燃え、悦びの大きなセックスを経験し、また健康な子どもが授かることになるのだそうだ。 どうやら、<遺伝子構造が異なると、お互いがお互いの体臭を魅力的だと感じる>との研究結果があるらしい。フェロモンと関係がありそうな話だが、遺伝子の特徴が異なるほど、互いのフェロモンが強烈な性的衝動を起こさせるということなのだろうか。 左様に単純なものなのだろうかと、眉に唾をつけたくなる話だが。 ScientificMatch.com 話を聞くだけだと、このScientific Matchについては、幸か不幸か、どうもお粗末な印象を拭えないが、これから先は、どのようなことになるか、まだまだ予断を許さない。 ヒトゲノム科学、そしてバイオ技術。これらが進歩する先には、どのように奇怪な未来が待っているのだろう。優れた遺伝子を持つとされる人間だけを選び出し、スーパー人間を作り出そうとする―――そうした目的欲求に火が点いた科学者たちは、きっと取り憑かれたようになって、危ない研究に舞い踊ることとなるのだろうか。でも、それは、純粋な学術的要求から来るものと言うよりも、目新しいビジネスとしての需要から、高い報酬を詰まれて研究せざるを得ないような状況に追い込まれて―――ということになるのかも知れない。 好奇心と理性、科学的探究と倫理観。科学者とて人間である限り、そうした事々にバランス感覚を持つこと、慎重にことを進めること、間違った方向に進みそうになったら、勇気を決断を以て、研究への甘い誘惑を断ち切ること、―――これらの固い決意と宣誓を、どうか忘れないで欲しいものだ。 かつて、同性愛者には共通の遺伝子があるとの仮説を発表したことのあるディーン・ハマー博士は、このScientific Matchを酷評し、遺伝子差別の危険性を訴えているようだ。 同性愛遺伝子の証明は、同性愛が生来備わっている個人特有のものであって、あとから選択した結果ではないことを強く物語る。 同性愛に関する誤解として、これは個人が自分の意志で選んだことだ、個人的な趣味だ、といったものがある。何も同性愛者になる必然性がないのに、わざわざ同性愛の道を歩む決定をしたことは罪に当たると主張するキリスト教原理主義的発想や、あくまで異性愛が正常で同性愛は異常=倒錯=変態性欲だとの、差別的・排他的意想の根拠となっている。 これに対抗して、多くの同性愛者たちは、自分たちの経験や感覚から、生まれたときからすでに同性愛者なのだとの立場を貫き、一方的な有罪説、異常説に反論してきた。だから、同性愛遺伝子の証明は、同性愛者にとって有利な事態であるはずだった。 しかし、Scientific Matchのように安直な遺伝子ビジネスが横行し始めているアメリカ社会を展望すると、この後、同性愛遺伝子が証明されることで、むしろ同性愛者の立場が不利になる恐れを少なからず感じる。皮肉なことだ。 遺伝子的に同性愛者を特定できるようになると、誰かの遺伝子情報を盗み出し、その人のセクシュアリティーを暴くことや、同性愛者を”排除”したり、場合によっては”粛清”しようなどの恐ろしい動きが生じることになるかも知れない。同性愛者を忌み嫌う石頭、いや化石頭たちが、引き続き、世の中には大勢いるに違いないからだ。 結局のところ、差別したい人たちがいる限り、どのような客観的事実を明らかにしても、差別がなくなることはないのだろう。 アメリカ・フロリダ州では、同性婚の禁止を規定する州憲法改正案を、州民投票に掛けようとする動きが強まっているらしい。 同性愛者団体が、活発な反対運動を展開するいっぽう、州憲法改正を主張する団体のトップは公然と、同性婚を<永遠に葬り去るべきだ>と強調しているようだ。 フロリダ州の世論が、来るアメリカ大統領選挙の行方に大きな影響力を持つとの観測から、この同性婚を巡る攻防が大きく注目されている。 イタリア議会では、移民政策に関する法律制定を巡って、セクシュアリティーによる差別禁止を盛り込もうと主張する左派政党と、それに反対するカトリック系政党とのあいだで、大揉めになっているとのニュースが伝わっている。プロディ首相率いる中道左派連立政権の内部が、大きく割れる事態となっているわけだ。 こうした対立は、すでに議会に提出されている同性カップルに法的保障を与える法律制定までをも、立ち行かなくさせている原因でもあるとのこと。 同性愛を、どう考えてどう扱うのか。世界中、至るところで政治的場面が混乱している。でも、僕はこうした混乱を通り抜けてこそ、きっと同性愛が法的にも認知され、これを蔑ろにすることは人倫/人道/人権にもとることであるとの意識が確立するのだろうと信じたい。 同性愛遺伝子について、いずれ正しく解釈されるときが訪れるとして、たとえそれが、同性愛についての人倫/人道/人権意識が確立した後のことになろうとも、ちっとも遅いことはないと、僕は思っている。 〔参考資料〕 http://www.scientificmatch.com/ http://www.news.com/8301-10784_3-9834683-7.html http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20363527,00.htm http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/071219-165640.html http://www.asahi.com/international/update/1218/TKY200712180002.html クリックプリーズ
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